今期のお酒造りを終えてpart1
ご存知の方もいらっしゃると思いますが、実は今期から僕が杜氏の役割を担っています。
なので実質1年目の酒造りでした。
昨年もお酒造りには携わっていましたが、理論もやり方もわからず、杜氏さんの後ろを付いて回って、言われた作業をしていました。
酒類総合研究所で2ヶ月間の研修を終え(ちょこっとだけこちらの記事に書いてます)、意気込んで造りが始まりました!
2019年10月
今期のお酒造りがスタートした10月。
天領盃に強力な助っ人が来てくれました。
京都大学からインターンとしてやってきた雪長君です。
髪型はなぜかぱっつんですが、歌がうまいです。ダーツは下手です。
めちゃくちゃ飯食います。
そして僕の家に住み込んでいたのですが、寝るときに電気を消さず、僕にいつも怒られていました。それでも電気を消さない根性のあるやつでした。
彼が帰ってから僕の電気代は半分以下になりました。(何にそんな電気使ってたんだお前!笑)
他にも分析器具を見事に破壊してくれたりとか、麹撒き散らしてくれたりとか、毎晩ファミリーパックのアイス一緒に食べさせられたり、居酒屋に行ったらうちの酒はいつでも飲めると言い、天領盃は一切頼まないし、洗剤入れすぎて洋服カピカピにしたりと強烈な個性を放ってくれていた彼ですが、
習得が早く、安心して作業を任せられる存在でした。
もう京都に帰ってしまいましたが、元気にやってるかな?
コロナが落ち着いたらまた一緒にお酒が飲みたいね!
唯一の心残りとしては、酒の陣で卒業制作として彼のお酒を出そうと決めていたのですが、酒の陣が中止になってしまい、出せなかったのが申し訳ないなぁと思っています。
彼と一緒に造り始めたのは天領盃純米吟醸しぼりたて生原酒とにごり酒から。
理論と現場は違うんだなぁと痛感していたのを思い出します。
麹の造り方、酒母の造り方、もろみの温度管理etc…
全てに緊張しながら、全てにもっとうまく造るにはどうすればいい?
ここのやり方を変えればもっとうまくいくんじゃないか?
また失敗した。じゃあ次はこうしてみよう。また失敗した。
の繰り返し。
毎晩のように彼とどうしたらうまくいくんだろう?と話していたのが昨日のことのよう。
これを重ねていくうちに少しずつうまく造れるようになっていきました(と言ってもあくまで「最初と比べて」なんですけどね!! まだまだもっといいお酒を造れるはずです)
色々書きたいことはあるんですが、話し始めると止まらなくなってしまうんですよね、僕。
どこまでお酒造りの話をしていいんだろう。と悩み始めました。笑
悩みごと、改善しなきゃいけないことはいっぱいあるんです。
その話をしたら止まらなくなってしまうので、今回はさらっと今期の振り返りとします!
2019年11月
この月が今期一のターニングポイントだと思います。
この1ヶ月間、広島の雨後の月醸造元である相原酒造さんにて造りを勉強させてもらいました。
きっかけは酒類総合研究所の研修にて次期蔵元と同期だったことと、雨後の月低アルコール原酒を飲んだ時の衝撃。
爽やかで瑞々しく、軽い飲み口だからスイスイ飲めてしまう…
爽やかすぎてアネッサのCMが頭をよぎりました。
ぜひ皆さんも飲んでみてください。
そこから相原さんに直談判。
勉強させてください!と。
本当に学びの多い1ヶ月でした。
製麴方法からもろみ管理から火入れ瓶詰め、設備の知識や掃除用品、掃除のやり方など一から教えていただき感謝仕切れません。
早く相原さんに認めてもらえるお酒を造りたいですね!!
2019年12月
相原酒造さんでの勉強を終え、いざ本格的に僕主導のお酒造りがスタートしました。
そう、今期の雅楽代の製造スタートです。(買える店はこちら)
先期と比べると、味わいはガラッと変わっています。
造り方や仕込み配合を大幅に変更したからです。
「綺麗で、軽くて、穏やかな香り」
このコンセプトでお酒を造っていこうと決めたからです。
天領盃酒造としてのコンセプトである
「お客様の楽しいひと時を演出する」ためにはお酒が主役になってはいけない。
飲んでくれる皆様が主役であって、お酒はあくまで会話の潤滑油だったり、料理やその空間の脇役でいいと考えたからです。
だから雅楽代には香りはいらない、甘みを少しでいい。
ドカンとインパクトのあるお酒じゃなくて、地味なお酒を造りたい。と考えるようになりました。
先期の雅楽代は甘みがしっかり残ったお酒でした。
僕の中では、インパクトがないと印象に残らないかも…と考えていたからです。
けど、自分が考える天領盃酒造の目指す「皆様に提供したい価値」
ってなんだろう。今もまだ明確な答えは出せていないというか、胸を張って言えるものを探している最中です。
語り始めると止まらないですね笑
総括も何回かに分けて行うことにします。笑
今回はここまで!
近いうちにまた続きを書こうと思います。
また見に来てください!
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